6000系細部分類

製造時からのもの
1.ランボードと側扉窓支持方式
 ランボードは4次車までが厚みがある。
側扉窓支持方式は3種類で、3次車までが室内外とも支持金具が 露出しているタイプ、12次車が室内側のみ支持金具が露出している タイプ。それ以外は室内外とも支持金具が出っ張らないタイプである。

 ランボードが厚くて扉窓支持金具が露出の例

 ランボードが厚くて支持金具が露出してない例

 ランボードが薄くて支持金具が露出してない例

上記3点はほぼ定点撮影。パンタ台の脚を見れば、ランボードの厚さが分かると思う。
ちなみにGMが製品化しているのは、「ランボードが薄くて支持金具が露出」という実際には存在しないタイプ。

2.配管押さえ
 非常にマニアックな点だが、7次車までのM車、T車の配管押さえと8次車以降のM車、T車の配管押さえは処理方法が異なっている。以下の写真を参照

    
 左:7次車まで。右:8次車以降。左は配管押さえと屋根の間に取付足を介しているが、右は屋根に直接配管押さえがついている。

3.運転台コンソール
 3次車までは都営線用の状態表示窓がないが、4次車以降は準備工事が行なわれている。当然ながら、都営線用ATCを搭載している車両は状態表示窓があいている。
 ・3次車までの非乗り入れタイプ
 
 速度計の左側は表示窓1つのみ。

 ・4次車以降の非乗り入れタイプ
  
速度計の左側、塞がれている部分が都営線用状態表示窓。

 ・乗り入れタイプ
 
速度計の左側に状態表示窓が設置されている。

 ・ワンマン車
 
コンソールの右に新たにスイッチが追加されている。
写真は競馬場線用ワンマン車だが、動物園線用ワンマン車も同様。

4.車掌台側機器箱
 7000系までは八王子方先頭車に列車種別・行先表示の設定器がある。本形式の場合、この部分に以下の3タイプがある。
 ・4次車までの非乗り入れタイプ
 
機器箱に直接設置。設定器自体も小型。

・ATC車
 
運行番号設定機能も付加されたため大型に。信号炎管は運客仕切り板に移動した。 

・7次車以降の非乗り入れタイプ
 
ATC車用の台座の上に小型の設定器が設置されている。

5.誘導無線アンテナ
 京王の列車無線方式は92年ごろまでが誘導(IR)無線方式、以降は空間波(SR)無線方式となっている。後者は現在見られる運転台上部の棒状のものが無線アンテナだが、前者の場合は、上り方(京王線系は新宿方、井の頭線は渋谷方)先頭車正面向かって左側の床下に設置されていた。ただし、一部に例外があり、6000系でいえば基本的に先頭に出ないデハ6431〜6435は未設置、またクハ6701〜6706は妻板に棒状のアンテナが貫通路をはさんで2つ設置されていた。
 
 これらのIR無線アンテナはSR無線使用開始、および先頭車へのスカート取付に伴い随時撤去されたが、クハ6703(上写真)に関しては96〜97年頃の最終全検施工時まで残されていた。
 〈追記〉
 IR無線アンテナ、全車撤去されていると思っていたら、一部車両で存置していました。
 
 スカートと台車の間、丸印で囲んだ部分にIR無線アンテナがある。

6.ブレーキ制御ユニット
 ケースに3種類。
        
左:2次車まで。ケースが丸みを帯びている。中:3次車以降。完全な箱。右:2連。床下スペースの関係でコンパクトにまとめられた。

7.CP
 HB-2000。6000系で一番標準的なタイプ

 HS-20。HB-2000の小型・低騒音タイプ。21F〜24F、42F〜44Fに搭載

 C-1000。2連組に搭載。独特の音でファンに人気があるCPでもある。

8.ヒューズボックス
  
 多数派が断面が台形をしたタイプ。
 86年製まではこれだが、例外としてデハ6072とデハ6293もこのタイプ

 
 88年以降の新製車は断面が弁当箱のような形をしたタイプ。
 例外として、デハ6267、6281〜6291もこれ。

 ヒューズボックスの個数は、制御装置搭載車が2個。それ以外のパンタ搭載車が1個。
 これは6000系〜9000系共通となっている。

後天的なもの
1.更新工事
 後継系列登場に伴い、陳腐化・老朽化した車両に対して行なったもの。
 一口に更新工事といっても、
 a.外板の腐食箇所のみを更新したもの(車体更新)
 b.室内の化粧板を8000系と同タイプの大理石模様に更新したもの(室内更新)
 c.上記の2つをあわせたもの(車両更新)
 の3つに分けられる。
aとcはオリジナル状態に比べ、裾が少し短くなっているのが特徴だが、6007Fのようにオリジナル状態のイレギュラーな車両も存在する。

 
 左:更新。右:オリジナル。更新車はエンド表記も新しいものに交換されている。

 
 左:クハ6867、右:デハ6417。側面裾が妻板に比べて短い。

 
 オリジナルの先頭車。裾のラインが一直線。

 
 更新された先頭車。乗務員扉の前で裾が上がっている。
 左はクハ6713、右はクハ6867だが、端部処理が微妙に異なっている。

 室内更新車は8000系と同じ大理石模様。

 オリジナルはクリーム色。中には褪色の激しいものもある。

2.荷棚支持金具
 製造年次での違いの他に、車両更新工事施工時に交換されたものも存在する。
・ネジ止め4箇所で全てカーテンレールの上
  
6407Fと6013Fで確認

・ネジ止め6箇所で全てカーテンレールの上
  
一番標準的なタイプ。5次車以降はこれ

・ネジ止め6箇所で下2本がカーテンレールにかかっている
 
4次車まではこの仕様

3.塗り屋根化
 8次車までの屋根はイボ付きビニル仕様だったが、9次車以降は樹脂塗り仕上げとなった。
後に、8次車以前の車両も順次樹脂塗り仕様とされ(4次車以降は殆どの場合、車両更新工事と同時施工)、2001年7月のクハ6757、6707をもって、全車両樹脂塗りとなった。
ただし、デハ6102だけは廃車になるまでイボ付きビニル屋根で残っていた。
また、オリジナル車は雨とい部分にゴムキャップがつけられているが、11次車以降の新製車と樹脂塗り化された車両は、腐食防止のためかゴムキャップなしとなっている。
  
↑デハ6102。国鉄〜JR車と違って妻部に押さえ金がないので、縮小画像だと見分けがつかない(^^;。

4.SR無線アンテナ
 2003年12月にATC改造を行なった6046Fは、棒状のものから逆L字型のものに交換された。
以降、新ATC改造された車両の無線アンテナは全てこのタイプとなった。
  

 

今後も追加して行きます。

 

京王6000系概要

 

 

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